2012年04月05日

日本の夜明け。成田にもLCC専用ターミナル

成田空港(千葉県)

私が小学生の頃、親に買ってもらったソフトボールのグローブは、定価販売でした。
ラジカセ(ラジオ付カセットテープレコーダー)も定価販売。カタログに載っている価格そのままで購入。

それが当たり前の時代でした。

そんな時代に、ダイエーが「より良いものをより安く」という合言葉とともに、百貨店など旧来型の小売業に挑戦し、価格破壊を起こしたのがいわゆる流通革命。
創業者の中内功さんというかたは、本当にすごい人です。
何せ、経営の神様と言われた松下幸之助と全面戦争したのですから。

流通革命(桃太郎のビジネスコラム)
ダイエー創業者の中内功は22年大阪に生まれ神戸で育った。42年神戸高等商業学校(現 兵庫県立大学)を卒業して日本綿花(現 ニチメン)に入社してビジネスマンとしてのスタートをきったが、翌年「赤紙」の召集令状によって最激戦区であるフィリピン・ルソン島に派兵される。地獄の戦場で戦友のほとんどが命を失うなか、人肉喰いの噂まででた捕虜生活から奇跡的に生還した。復員後は家業の薬局を継ぐことになり、空襲で焼け野原となった神戸の闇市で医薬品の販売を始めた。
「すき焼きを腹いっぱい食べたい。その一念で生きて帰ってきた」という中内は、焼け跡で大衆が飢える姿を目のあたりにして、生活必需品をいつでも安く買える仕組みを作ろうと闇市から立ち上がった。中内の流通革命の原点であった。
(中略)
それまでの常識だった百貨店業界の「掛け値なし、正札販売」を覆し、大量仕入れによるコストダウンで値引き大量販売を打ち出した。中内は食料品や衣料品などを自分で選び、レジスターのある場所で支払うスーパーマーケットという業態を日本に根付かせた。
新しい小売りの形態は値引きを嫌う大手メーカーとの激しい摩擦をうみ「価格は消費者が決めるもの。松下さんが決めるのはおかしい」と唱えて、松下電器産業の製品を安売りしたダイエーに対し、松下は 64年に出荷を停止するや、ダイエーは中堅メーカーである クラウンと組んで独自の低価格カラーテレビを発売して対抗した。松下との「30年戦争」と呼ばれた対決の末、メーカーの小売価格の設定は形骸化し、価格決定の主導権は消費者に移った。大手メーカーの価格支配を消費者に取り戻した画期的な出来事だった。
今や当たり前になっている「オープン価格」とか「バーゲン」なんていうものを見るたびに、中内功氏のことを思い出してもいいくらいです。

航空業界でも以前から格安航空券は出回っていましたが、LCC元年と言われる今年、関空に続いて成田にもLCC専用ターミナルが建設されるというニュース。

成田空港 格安航空専用施設建設へ(NHKニュース)
ことし7月以降、日本航空全日空がそれぞれ出資する格安航空会社が成田空港を拠点に定期便を就航させる予定で、成田空港会社は専用ターミナルの建設で海外などさらなる格安航空の参入に弾みをつけたいとしています。
LCCの利用者は、海外旅行に慣れ、海外出張が多い人だといいます。

なぜLCC利用の旅行ツアーは少ないのか?(BusinessMedia 誠)
そもそもLCCの顧客層はリピーターが中心。海外旅行に慣れ、海外出張が多い人ほどLCCを使う傾向が強い。
海外旅行に慣れる人が増えればLCC利用者はどんどん増えるという見方もできるわけで、国際線で歴史と伝統と意地とプライドのある成田が、好調関空を指を加えて見守るはずもありません。

1972年にダイエーが三越を抜き、小売業売上ナンバー1になりました。当時、「主婦の店ダイエー」が老舗三越の売上げを抜くなんて、誰も考えなかったと思います。
航空業界でもJALやANA本体が無くなることはありえるし、そういう危機感があるからLCCにも進出してるわけです。

参考
高収入者は格安航空好き? 普段の買い物も海外で(372log@姫路)
世界2位の航空会社が破綻(372log@姫路)
日本にも、格安航空本格到来の予感(372log@姫路)
  

Posted by miki at 19:34Comments(0)航空