2011年12月10日

サムスン独占に「待った」? 姫路で有機ELの製造設備を導入

姫路の風景・姫路市立美術館姫路市本町

次世代テレビ用パネルとして有望視されている有機ELですが、パナソニックが姫路で製造設備を導入する方針を固めたと、日刊工業などが報じています。

パナソニック、姫路工場に有機EL製造設備導入-量産化へ技術蓄積(日刊工業新聞)
パナソニックは2012年前半にも姫路工場(兵庫県姫路市)に有機エレクトロ・ルミネッセンス(有機EL)パネルの製造設備を導入する方針を固めた。
(中略)
有機ELは液晶の設備を一部兼用できるため、研究開発を続けながら、設備導入の時期を検討してきた。すでに製造装置メーカーに発注している模様だ。
サムスンなどに供給してもらう選択もありましたが、自前調達に踏み切った模様です。

パナソニック、姫路工場に有機EL製造設備導入-量産化へ技術蓄積(asahi.com)
テレビ用の大型有機ELが製品化されるのはこれからだ。このままでは市場が立ち上がる時点でサムスンなどに基幹部品のパネル供給を握られる。日本勢はそれでもよいと割り切るのか、自前で調達できる道もつくっておくのか判断を迫られている。12年3月期に液晶とプラズマを合わせて1900万台の薄型テレビ販売を計画し、「テレビは(家電の中で事業規模が)最大の商品。その位置づけは変わらない」(大坪文雄社長)というパナソニックは、姫路工場への有機EL製造設備導入に踏み切ることにした。
世界的に見てもサムスンが事実上の1社独占状態で、テレビメーカーから見て、供給面で問題を残すとの判断もあるのでしょう。

一般に、何かを買うのに1社しかないのと、2社あるのでは、ずいぶん意味合いが異なります。価格交渉のしかたも変わるし、東日本震災やタイ洪水の例から言っても、供給先が1つというリスクは大きい。
テレビメーカーにとってのパネルは、事業の根幹に関わる問題。サムスン以外のテレビメーカーにとっても、(期待感も含めて)姫路の動向は大いに注目されることになるでしょう。

参考
パナ、住友化学と提携か。姫路で有機ELパネルを量産?(372log@姫路)
松下、2011年に40型有機EL商品化。姫路で生産?(372log@姫路)
テレビの比較一覧(テレビの比較) - 液晶、プラズマ、有機ELの比較。
  

Posted by miki at 07:28Comments(0)企業