2011年12月05日

大阪W選の結果が姫路に投げかけるもの。区長公選制



大阪府のW選挙で、大阪都構想を唱える候補が当選しました。大阪都構想とは「小さすぎ」て「大きすぎ」る大阪市を止めて府と統合すること。

橋下徹・堺屋太一『体制維新――大阪都』(文春新書) 7点(山下ゆの新書ランキング Blogスタイル第2期)
人口約260万の大阪市はグローバルな都市間競争を勝ち抜くための規模としては「小さすぎ」ます。空港や道路などのインフラ、成長戦略を考えるためには現在の大阪市の規模や範囲だけでは足りず、広域での一体化した行政と政治決定が必要になります。
一方、大阪市は基礎自治体としては「大きすぎ」ます。大阪市は人口で行けば都道府県レベルの規模であり、住民の細かいニーズを汲み取りながら政治を行なっていくには大きすぎる存在です。
大阪都構想では、基礎自治体として、現在よりも大きな区に再編し、区長を公選制にすることで「大きすぎ」るこれまでの基礎自治体「大阪市」の問題を解決しようとしています。

公選で選出される住民の代表者を持つ基礎自治体の適正規模は30万程度と言われることもありますが、260万人ではあまりに多すぎるだろうというのが大阪都構想の1つの側面です。

大阪市ほどではないにせよ、基礎自治体の規模が大きすぎるのは神戸市でも同じこと。実は、神戸でも都構想があったと朝日新聞は記事にしています。

兵庫にもあった都構想 貝原氏に聞く(上)(asahi.com)
神戸市に30万人規模の区を4~5区程度つくり、区長を公選制にすべきだと考えた。大阪は府も市も名前が一緒だから大阪都でいいが、兵庫は「神戸」という名前を無くすわけにはいかない。区を基礎自治体にして、市には対外折衝を行う名誉職的な役割を残せばいいと思った。
公選による首長が受け持つ基礎自治体のエリアが100万人規模、つまり政令市規模にまでなると、いろいろ問題がでてくるということを前兵庫県知事も感じていたのです。

一方、姫路ではどうなのか。
基礎自治体として理想に近い50万人規模の人口でありながら、政令市を目指して+20万人以上の合併による規模拡大を目指しています。

合併したところで「小さすぎ」る大阪市の260万人にはるかに及ばず、一方、基礎自治体として「大きすぎ」る大阪市と同じ問題を抱え、合併による政令指定都市などいいところが見えないということになりかねません。

中核市 → 政令市 へのメリットはもちろんあるでしょうが、同時に、基礎自治体としての規模バランスの崩壊という面を、区長公選制などで補っていかなければ、市民の理解、合併交渉先の理解が得にくい気がします。
合併交渉先が人口30万人に近い相手なら、なおさらです。

参考
[研究][大阪][地方政治]大阪都構想のふたつの哲学(sunaharayの日記)
「神戸で都構想」賛否二分 本紙市民アンケート(神戸新聞) - 自由記述では、「制度を変えなくても、県と市が縄張り意識を廃して協力すればいい」「二重行政解消に、都構想が有効かどうか分からない」「区長公選制には賛成」などの意見もあった。(記事より)
姫路市長「加古川と合併を」。加古川市長「広域化は必要」(372log@姫路)
  

Posted by miki at 00:00Comments(0)政治