2011年06月03日

温度を下げると膨張する鉄化合物

JST(科学技術振興協会)資料より

熱くなると膨張し、冷えると収縮する物質はどこにでもありますが、冷えると膨張する鉄化合物がありました。

温度を下げると膨張する現象(負の熱膨張)を鉄の化合物で実証(JST)
愛媛大学大学院理工学研究科の山田幾也助教らの研究グループは、鉄の化合物で温度を下げると膨張する現象を観測することに成功しました。
(中略)
本研究グループは今回、15万気圧・1000℃という超高圧・高温条件を用いた超高圧合成法によって、複合ペロブスカイトと呼ばれる構造を持つ新しい鉄の酸化物(SrCu3Fe4O12)の合成に成功しました。大型放射光施設SPring-8の高輝度X線を用いた結晶構造解析により、この物質は氷点以下で大きな負の熱膨張を示すことを発見しました。鉄の化合物で、負の熱膨張を示す物質は初めてです。
通常の物質は高温で膨張し破裂するなどの弊害がありますが、今回のような逆の性質をもつ物質を混合することで、高温にしても膨張しない物質の可能性が開けます。
  

Posted by miki at 22:47Comments(0)科学