2011年05月10日

東芝の奇跡。クチコミでどん底から首位伺う

液晶テレビ(価格.com)

価格.comの液晶テレビのカテゴリーで、売れ筋ランキング、注目ランキング、満足度ランキングの上位1、2位が全て東芝regza(レグザ)になっています。

東芝、2010年度のテレビ事業は黒字を引き続き維持(AV Watch)
「液晶テレビ事業に関しては、エコポイント制度の効果があった国内市場が大幅に成長して、台数では40%増を超える伸びとなった。新興国向けも伸張しており、液晶テレビは、引き続き黒字を維持している」とした。
価格.comトレンドサーチの市場シェアでは、東芝37%、シャープ21%、SONY20%、パナソニック9%となっています。(参考

一昔前、東芝の液晶テレビなどかなりマイナーだったのですが・・。

「東芝だけが黒字」な理由、テレビ事業復活の舞台裏(東洋経済)
1990年代のブラウン管時代を経て、時代は薄型テレビへ入ったとき、東芝は大きく出遅れた。03年に液晶テレビに参入するも不振、国内シェアは1ケタ台に落ち込む。現場は「事業の危機を肌で感じていた」(映像グローバルマーケティング部の本村裕史氏)。起死回生を懸け、満を持して投入したのがレグザだ。
(中略)
レグザ発表の06年当時、若者を中心にインターネット口コミ情報を参照して購入する形が定着していた。専門誌や評論家に、レグザのこだわりに着目、評価してもらうことで、一般への口コミパワーを期待した。
(中略)
「サイトでの人気はシャープのアクオスが圧倒的だったが、06年秋ごろレグザが急上昇。08年には一番人気を確立した」
シャープがパネルの自社生産に拘ったのに対し、東芝はパネルの自社生産を諦め、画像回路に拘りました。

薄型テレビは、登場してしばらくは消費者に訴求しやすいパネルというデバイスこそが商品競争力の源泉でした。
しかし本当のテレビの実力は、画像回路を含めた作りこみで、こうした専門的なことはインターネット等のクチコミがなければ広まらなかったでしょう。

プラズマという消費者に理解されやすい違いに拘っていたパナソニックも、液晶とプラズマのサイズによる区分を捨てる方針に変更するようです。

パナソニック、液晶とプラズマのサイズ別戦略を撤回(AV Watch)
「液晶、プラズマといったデバイスごとにインチサイズを決めていたこれまでの戦略を見直し、デバイスにこだわらないインチ戦略を推進する」と、大きな転換を図る姿勢を示した。
これも大きな意味では、デバイスに拘らず消費者の求めているものを素直に提供するということだと思います。

1 シャープやパナソニックなどパネルを中心とする事業は厳しいが、
  テレビ事業としては東芝は利益を出している
2 東芝は、国内市場はあくまで自社生産とするなど品質に拘る姿勢
  それを事業として成り立たせているのがネットのクチコミ環境

という構図に興味を感じました。

パナソニックの尼崎のプラズマ工場は、一部が太陽電池に置き換わるようですが、姫路工場も今後も液晶パネルをつくり続けるのかどうなのか。
社長は、国内でパネルを生産して海外でテレビを組み立てるというビジネスモデルが甘かったと反省しているみたいなので、今後の動向に注目です。

参考
パナソニック、液晶とプラズマのサイズ別戦略を撤回(AV Watch) - PDPの尼崎工場、液晶パネルの姫路工場への立地を決定したときには、為替が1ドル110~115円であり、残念ながら見通しが極めて甘かったという反省がある。パネルおよびモジュールを海外工場に送り、現地でアセンブリして届ける仕組みが、為替の影響で大きなマイナスとなっている」とした。(記事より)
東芝3月期決算、半導体好調で過去最高益(YOMIURI ONLINE)
大型液晶パネル、消耗戦(日経産業新聞 ピックアップ) - 薄型テレビに使う大型液晶パネルのメーカーが事業採算の悪化に苦しんでいる。世界首位の韓国サムスン電子は1~3月期に8四半期ぶりの部門赤字に転落。韓国LGディスプレー、台湾・友達光電(AUO)も2期連続の赤字。パナソニックやシャープは円高に苦しむ。(記事より)
三洋電機、太陽電池生産へ パナソニック尼崎工場(神戸新聞)
なるほど便利、「今すぐニュース」(372log@姫路)
  

Posted by miki at 01:18Comments(2)企業