2010年11月22日

フリーウェイ・アイランド沖縄

沖縄高速道路無料化キャンペーン(沖縄ツアーランド)

高速道路無料化実験に対する各県の反応が政府から発表されました。

【高速道路新料金】前向き評価は4県のみ(レスポンス)
岩手県は「観光振興など地域活性化につながる」とし、山梨県は「貨物車の転換が一般道の渋滞緩和に貢献している」と前向きに評価。さらに宮崎県は「国道の渋滞が緩和され、地元も大変喜んでいる」と歓迎し、沖縄県も「高速道路の有効活用や一般道の交通量低減が明らかとなり、有意義」と評価した。
見出しこそ「前向き評価は4県のみ」と、評価が低いのか?と思わされる表現の記事ですが、よく見ると、ほとんどの県が「期間が短いので未評価」ということのようです。
限られた短い路線のみを対象に実験している県が多い一方で、県内全路線が無料の沖縄では、前向きな評価になっています。

実験というのは、自然科学であれ社会科学であれ、できるだけノイズ(外部要因)を取り除いて実施しないと結果がわかりにくいのですが、沖縄の場合は、

1)全県にわたって無料化対象
2)独立した島のため、近県の影響を排除して考えやすい(※1)
3)JRなど競合する基幹公共交通がない

と言う意味で、実験結果には大いに注目すべきだと思います。

※1 近県の影響とは、例えば「今年の夏は若狭湾に泳ぎに行こう」という大阪からのマイカー客が増えたとします。すると、それは舞鶴自動車道を無料化したから純粋に増えたのか、それとも単に、無料化実験をやっていない南紀白浜海岸からの客が流れてきただけなのかがわかりにくいということです。もし、他所から流れてきただけであれば、全国的に無料化したときには、若狭の優位性がなくなり人が増えない。つまり、それは高速無料化本来の効果ではないと言えます。

その沖縄から「高速道路の有効活用や一般道の交通量低減が明らか」という結果が出ていることから、高速道路を無料化することの効果があることは証明されたと一応は考えるべきでしょう。

現在の実験がいつまで続くのかわかりませんが、各県の意見は「データが少ないので、現状+さらに無料区間を増やして実験継続」というものが多いように思います。(※2)

※2 例えば広島県は、広島自動車道中国自動車道への無料化区間拡大を主張しています。迂回路線としての中国自動車道の無料化は、播磨付近についても言えることです。

要は、沖縄ほどの純粋な結果がなかなか得られにくいということです。

また、効果が明らかなのに地元のJR社に遠慮して、「効果があった」と正直に言いにくいのかもしれません。

実験と称してだらだら枝葉路線でお茶濁すんじゃなくて、沖縄などの事例を基に、「実験結果はこうでした」という政府としての一定の結論を聞きたいものです。

参考
高速道路無料化で、物流コスト減(372log@姫路)
高速道路無料化で、一般道の渋滞無くなる(372log@姫路)
官民から高速道路無料化拡大の声(372log@姫路)
JR族大臣なのか? 高速道路無料化を拒む人々(372log@姫路)
中国・山陽自動車道を無料化しよう(372log@姫路)
  

Posted by miki at 00:53Comments(0)クルマ