2010年11月05日

マイクロソフトからオープンオフィスに切り替える山形県

KINGSOFT Office 2010

パソコンを仕事に使う人なら、「エクセルワードを使わない日は無いのでは?」と思うほど普及していますが、山形県では異変?それとも最先端?

県が「オープンオフィス」導入へ 次期オフィスソフト(山形新聞)
県が2011年度、パソコンの次期オフィスソフトウエアとして、無償の「オープンオフィス」を導入する方針を決めたことが29日、明らかになった。現在使用しているソフトウエア最大手マイクロソフト(MS)の「オフィスXP」のサポートが11年7月に終了するため、操作性が類似し、無料で利用できるオープンオフィスに切り替える。県によると、都道府県がオープンオフィスを導入するのは初めて。
マイクロソフトのエクセルやワードは、マイクロソフト・オフィスというパッケージに含まれていて、山形県では、「XP」という3世代前のバージョンを使っています。

ところが、来年7月にマイクロソフトのサポートが終了するため、新しいバージョンに乗り換える必要があるが、これを機にマイクロソフト製品を止め、「オープン・オフィス」というソフトウェアに切り替えるというのです。

「オープン・オフィス」というのは、米国オラクル社が開発元(当初はサンマイクロシステムズ社)で、オープンソース方式のソフトウェア。
使用は無料でバージョンアップ時にも費用が発生しないため、今後のことを考えて切り替えるとのこと。

洲本市兵庫県)や箕面市交野市大阪府)でもオープンオフィスが採用されているし、住友電工など企業でも採用するところが出てきています。

エクセルに相当する「カルク」や、ワードに相当する「ライター」というソフトは、マイクロソフト製と比べても、機能も操作感もほとんど変わらないため、「マイクロソフト製品のバージョンアップ(例えば20032007)に比べても、遥かに違和感が少ない」という人もいます。

また、無料のオフィスソフトには、米国IBMが出している「ロータス・シンフォニー」がありますし、有料ですが値段がマイクロソフトの7分の1程度で、操作感は瓜二つで見分けがつかない「キングソフト・オフィス」や「イーアイ・オフィス」もよく売れているようです。

すでにサポートが切れたオフィス2000を使っている人も、パソコンを買い換えるときにはいろいろ考えるのではないでしょうか。49800円のノートパソコンを買おうとしても、マイクロソフト・オフィスが最低でも21000円必要となると、7万円超えてしまいますしね。

仕事でどうしても必要ならしかたありませんが、少なくともオープン・オフィスで十分と判断した企業や自治体があるわけですから、一考の余地があるでしょうね。

P.S.
今回の山形県とは反対に、昨年、高知県がオープンオフィスを検討した結果、導入を断念したという事例もあります。

高知県庁(マイクロソフト導入事例)
情報政策課では、次期オフィス ソフト候補として OpenOffice.org について、調査・研究・試用を行いました。
(中略)
その結果、OpenOffice.org の導入に向けた課題として、次のことが挙げられました。
・都道府県の大規模な導入事例がまだないこと
・Microsoft Office との互換性が完全でないこと
・国や他の地方自治体の文書のほとんどが Microsoft Office で作成されていること
特に、次の 2 点が大きな課題となりました。
1.メーカーサポートがないこと
2.脆弱性情報が得られにくい。アップデート用のパッチも自主的に確認しなければ、その有無さえ分からないこと
思ったのは、もはやマイクロソフトオフィスのバージョンアップをするのにも相当な検討と理由がいる。なぜオープンオフィスではいけないのかという理由なしにはバージョンアップはできない世の中になってきたということです。
ちなみに、「キングソフト・オフィス」や「イーアイ・オフィス」なら、大きな課題2つについてクリアできそうに思いました。

参考
全職員LinuxとOpenOfficeに換えちゃった(372log@姫路)
OpenOffice(372log@姫路)
IBM、オフィス統合環境「IBM Lotus Symphony 3」の正式版を無償公開(窓の杜)
キングソフト:「KINGSOFT Office 2010」がシェア20%突破(MarkeZine)
三洋機工がOpenOffice.orgを全社導入、コスト抑制見込む(IT Pro) - 三洋機工がOpenOffice.orgの導入を決定したのは2008年2月。移行する理由は、Microsoft Officeのバージョンアップに費用が発生すること、そしてバージョンアップのたびにファイルやマクロの書き換え作業が発生し、工数がかかっていたことだという。(記事より)
Word互換オフィスソフトの「互換性」はどのくらい?(PC Online's Weekly)
  

Posted by miki at 00:00Comments(0)IT