2009年10月26日

バスターミナルに農産物直売所も。神姫バスが農業ビジネス



政府の雇用対策本部など、マスメディアでも話題にのぼることが多くなった農業。若者メディアでも脚光を浴びています。

渋谷発“ノギャル”は農業革命を起こせるか? (Business Media 誠)
東京・渋谷の繁華街に集まってくるギャルの発信で、農業が今、若者たちの脚光を浴びている。自分たちの着こなしを思い思いに楽しみつつ、泥にまみれながらの米作りや夏野菜の栽培に励むギャルたちは「ノギャル」と呼ばれ、近ごろはテレビなどでの露出も増えるばかり。その勢いはとどまるところを知らない。
さて、姫路に本社がある神姫バスが、農業ビジネスに参入します。

神姫バス、農産物を出荷 卸と提携、小売りも検討(NIKKEI NET)
路線バス会社の神姫バスは16日、農産物の仕入れ・販売を手掛けるグレースファーム(兵庫県姫路市、井上智裕社長)と提携し、農業ビジネスに参入すると発表した。
(中略)
グレースファームは農産物卸会社の三五屋青果(同)が4月に設立。地元農家を中心に青果物を集め、小売店などに販売している。神姫バスはグループ内に約 2700人の従業員と、OBも多く抱える。農業も手掛ける同社の関係者に出荷を依頼するほか、近隣の住民にも声をかけてもらいグレースファームへの出荷を呼びかける。
将来はバスターミナルに農産物直売所を設けるとか。神姫バスグループで働きながらも、副業で農業をやってる人が多いから、そうした人脈を活かそうということなのでしょうか。

姫路市の農家は、全国平均や神戸市などに比べても圧倒的な「片手間農業」です。

統計でみる姫路の農業(姫路市)によれば、主業農家(農業所得が主な農家)の比率は、全国平均や神戸市が14~15%なのに対してたったの1%程度にすぎません。
つまり農業で食べているわけではなく、農業をしていても神姫バスのグループ企業など地元の企業で働いている率が高い。
では姫路でとれる農産物が不味いのかといえば、気候条件から言っても、実感としても全く逆で、極めて美味しい。じゃあ姫路でとれた美味しい農産物はどうなっているかというと、その多くが、つくった人自身が食べてしまっています。自給的農家の比率は神戸市が25%に対して姫路では55%もあります。

神姫バスの記事を見て思ったのが、こういう美味いんだけど流通に乗らない農産物をうまく流通させると、面白いと考えたんじゃないでしょうか。

私の生まれ育った環境では、誰々さんに野菜や米を貰ったとかあげたとか、そういう一般の流通に乗らない農産物が結構な量になる気がします。肉や魚はスーパーで買うけど農産物はあまり買わなくて、畑や田んぼで作ってるとか、よく貰うとか。
いかなごのくぎ煮がうまくできたので、あげたとか貰ったとかいうあのノリです。

農業ビジネスというと大そうですが、たくさん農産物ができたときはバスターミナルで売ってもらってもいいよ、みたいなノリの延長かなぁという気がします。
気候が温暖で、肥沃で良質な土地柄、美味い野菜が多いので、なかなか面白い新規事業だと思いました。

参考
播磨いかなご戦争?(372log@姫路) - イカナゴのくぎ煮が全国に出回らないのは、数量が限られるからです。そこで、知り合いにだけでもこっそりと送ってあげようというのが、播磨の風習になっています。(ブログより)
お米がたくさんできました(372log@姫路) - 姫路市でもお米がたくさんでき、稲刈りまっ盛りです。農業の盛んな神戸などと異なり、姫路は専業農家が少なく、自給(自分で食べるために作っている農家)が過半数を占めます。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)企業