2009年10月20日

LRTを気軽に実現?広まるかBRT

ソウル

国土交通省が推進するLRT(ライトレール)ですが、計画を中止したり、反対するニュースが目に付きます。

堺のチンチン電車なくなる? 新市長、LRT「中止」(asahi.com)
「完全に中止したい。採算性がなく、町全体の景観モデルにも合わない」。8日に初登庁した竹山修身・堺市長は就任会見で、南海高野線堺東駅南海本線堺駅に新設予定だったLRTの中止を明言した。
LRT反対姿勢を確認 党勢拡大目指し塾開講へ 民主県連(下野新聞)
民主党県連は5日、宇都宮市内で幹事会を開き、同市が検討を進める次世代型路面電車(LRT)について、あらためて反対の姿勢を確認し、今後、表明することを決めた。
LRTは、行き過ぎた自動車依存を見直し、主に街中での公共交通利用を促進する目的で考えられました。

しかし、地下鉄ほどではないにしろ、軌道を敷設して運行や車両を維持管理するにはコストがかかり、独立採算は難しい状況があります。
日本では既存の路面電車の車両を低床型に更新する例もありますが、新規に軌道を敷設したLRTは、まだ事例がないように思います。富山もJRの廃線利用ですしね。

しかし、LRTと同様の効果が期待でき、コストも安価で迅速に行う方法があります。姫路の姉妹都市・ブラジルのクリチバで始まったといわれるBRT(Bus Rapid Transit)です。

バスを専用走行路を走らせることで、定時性を確保するシステム。名古屋基幹バスと異なり、一般車のレーン乗入れを認めていません。

このBRTに、アジアで初めて本格的に取り組んだのがソウルです。

ソウル市 BMS ~アジア初の本格的BRT(交通とまちづくりのレシピ集)
2002年に就任したソウル市の李明博市長は、新たに策定した「ビジョンソウル2006」(ソウル市の長期計画。日本でいえば市町村総合計画=市町村マスタープラン)の中で「公共交通システムの再編」として、非効率なこれまでのバスシステムを改善し、地下鉄中心からバス中心に変更していくことで、公共交通の分担率を46.3%から75%に向上することを目標とすることを表明し、具体的な対案として全面的な変更を実施し、クリチバ型のBRTシステムを基軸とする新たなバスシステムを形成しています。
常々、バスの持つ威力、柔軟性には注目しているのですが、比較的安価かつ迅速に、自動車依存からの切り替えに効果があるこの考え方は、日本でも大いに参考になるように思います。

参考
「躍動の都市、ソウルを行く」第2回 交通システムの改編(みずほ情報総研株式会社)
世界一革新的な、姫路の姉妹都市(372log@姫路) - クリチバの話題。
急ぐときはバスで行こう(372log@姫路) - 公共車両優先システムの話題。

← 1日1回クリックして頂けるとRankが上がります
  

Posted by miki at 00:58Comments(4)バス