2009年06月21日

小学校でも英語授業

小学5年生の英語の授業

昨日は小学校のオープンスクールに行ってきました。オープンスクールというのは、参観授業時間を設けるのではなくて、日を決めて、その日一日、どのクラスのどの授業を見ても構いません。父兄に限らず、地域のかたも見学に来てくださいというものです。

とは言っても、やはり自分の子どもの授業を見に行くでしょ、普通。小学5年生の長男の3時間目は、英語教室に移動して英語の授業でした。「最近は小学生でも英語やるんかいな」と、とぼけたことを思いながら英語教室へ・・。

するとビックリ。英語教室にはプロジェクタが用意してあって、スクリーンを触ると画面が変わったり、丸い図形が表示されたり。おおっハイテク!
教えるのは、担任の先生なのですが、やたら滑らかな英語をしゃべる。すごっ、最近の小学生の先生はすごい!と思ってたら、たまたま担任が英語担当を兼ねていただけで、どのクラスの担任の先生も英語の授業をやるわけではないそうです。

この先生の発音も流暢ですが、ときどきスクリーンをタッチするとネイティブの発音も流れるので、別にネイティブの怪しい(?)講師がわざわざ教える必要性も感じませんでした。

ところで、小学校の英語教育義務化って、まだ先じゃなかったっけ?と思って調べました。

【日本の議論】小学校の英語教育は必要か(MSN産経ニュース)
「英語を使える日本人」を育てるため、新しい学習指導要領で導入された小学校5、6年生の「外国語活動(英語)」が、この4月から一部の学校で先行スタートした。これまでの文法中心の英語教育ではなく、小学生時から英語になじむことでコミュニケーション能力を高めようという狙いだが、「週1時間の授業で役に立つのか」「日本語もままならない段階なのに…」と反対意見も依然として根強い。
義務化は別として、多くの学校では既に英語の授業が始まっているのですね。

小学5、6年での英語の授業、公立小学校の99%で実施(英語教育ニュース)

いやはや学校の先生も大変です。

ところで、新しいことを始めようとすると、必ず反対する人がいるものです。そういう人を探してみようと、適当に検索したら出てきたのが、以下のブログ。

小学生に英語を必修させる必要があるのか?(内田樹の研究室)
東京の某一流私学は「英語だけで授業をする学部」を新設した。
国際人を育てるためである。
ところがこの学部では授業がうまく成立しない。
というのはここの学生たちは「一番英語がうまい人間」を知的位階の最上位に置いてしまうことを習慣づけられているので、教壇に立っている日本人教師よりもフロアにいるネイティヴの留学生や帰国子女の方が英語が流暢な場合には、教師よりも「発音のいい人間」の意見に従う傾向があるからである。
おっしゃることは、大変よく理解できます。これ、私流に言えば、英語はあくまで道具なんであって、それ以上でも以下でもない。
にも関わらず、英語の発音が流暢であったり会話能力が著しく長けていることに対して、中味も価値があるかのごとく錯覚をする危険性を内田先生(神戸女学院大教授のようです)は書かれています。「外国語なんて大きくなってからで十分である。」との主張ですね。

エスペラント語が世界共通語になっていたら英語なんてどーでも良かったんだけど、現実はそうではない。だから、道具としての英語を知っておくことは、生きるうえでごく当たり前のことなんだと思います。
それを小学生からやるべきなのか、大人からで十分なのかは意見があると思いますが、やる必要はある。
ノーベル賞受賞者でも「英語は不得意」と公言する人もいましたが・・。(参考

現実には、幼稚園でも英語をやってるケースもあるし、小学生だけが頑なに「英語をやるな」というのも疑問なので、反対はしませんが、小学生から英語をやったからといって、別に学力が上がるわけでもなく、大したことではない。
むしろ、幼稚園でも小学校でも英語なんて誰でもやってるという状況のほうが、「英語の高級感化」を防ぐ意味があり、そういう意味で、「義務化」には意味がある気がします。
つまり、英語に長けた大学卒業生に、特別感のような誤解を与えさせないためにも、幼稚園児でも小学生でも日常的に英語に接しているという状況のほうが好ましいのではないかと思えるのです。

児童期からの英語はやってもいいが、あまりそれに拘るな、のめりこむなという感じでしょうか。
当ブログお得意の「真ん中あたりを行く」という結論・・。田原総一朗さんだったら、「賛成か反対かはっきりしろ!」と一喝するでしょうね。

P.S.
中学生ぐらいのとき、写真雑誌を読んでいたのですが、「カメラに凝る人は多いけど、写真を好きな人はあまり居ない」という話が印象に残っています。たとえバカチョン安価な(09.06.22 訂正)カメラでも、いい写真は撮れるのに、カメラの話ばかりして写真を撮らない人は、写真の腕は上がらないと。(ずばり当時の私のことでした)
英語に詳しくなっても、いくら発音が流暢になっても、喋る内容が問題であるというあたりまえのことも、同時に教えないと勘違いしてしまいますよね。内田先生はそういうことを危惧してるのだと思います。

参考
【日本の議論】小学校の英語教育は必要か(MSN産経ニュース) - あくまでも異文化への理解を深め、コミュニケーション能力を高めていくための入り口なんです」と文科省幹部は強調する。新しい学習指導要領では、外国語教育は必修化だが、決して「教科」ではなく、成績評価もない。(記事より)
小学生向け英会話番組人気 夢前高、ウェブで放映(神戸新聞) - 県内の多くの小学校で今春から英語の授業が始まった。小学校での英語教育に関心が高まっているため、児童らに楽しく英語を学んでもらおうと企画した。(記事より)

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Posted by miki at 00:00Comments(4)学校