2009年02月12日

シリコンがいらない太陽電池

色素増感型太陽電池

日本でも欧米でも、これからますます太陽電池が普及していくのではないかと言われています。数年前までは日本の企業が太陽電池で世界のトップランナーでしたが、近年はドイツの企業に抜かれ気味です。1つの要因として原料のシリコン調達能力に差が出たということもあったようです。
しかし、世の中にはシリコンが不要という太陽電池を考えた人もいます。スイスのグレッチェルさんは、色素が太陽光を吸収して電子を発散する性質を利用して発電する太陽電池を考えました。色素増感型とかグレッチェル型と言われるものです。

これはシリコンがいらない上に、例えば印刷をするように製造できるため、コストも安く柔軟性があると言われています。グレッチェルさんの基本特許が昨年4月に切れたこともあり、製品化が活発になっています。

色素増感型太陽電池の現状と将来予測 2008(富士キメラ総研)
色素増感型太陽電池はグレッチェルの基本特許が2008年4月に切れた事もあり、今まで水面下で開発していた企業も2009年初頭から、一層製品化及び市場投入が加速する見込みである。
もちろん姫路でも研究が活発化しています。

低コスト高効率 新型太陽電池のシステム開発 県立大(神戸新聞)
兵庫県立大姫路市書写)大学院工学研究科の伊藤省吾准教授(39)が、コストを三分の一に引き下げることも可能な新型太陽電池のシステムを開発し、イギリスの科学雑誌「ネーチャー・フォトニクス」に論文が掲載された。
(中略)
従来のシステムは通常、装置の表面に当たる一方向からの光で発電するが、伊藤さんは、裏面にも光を当てる「両面型」に改良。光を受ける面を東西に向け、朝日と夕日を利用、鏡も使って効率よく太陽光を収集する。また、光に反応した電子が移動する電極間の距離を制御することで、裏面の反応でも発電量を上げる方法を、世界で初めて導き出した。
伊藤さんは住宅用としても従来の3分の1の設備費で済むという話をされていますが、他の方式との競争もあって10年後には一般の住宅でも「なんで太陽光発電にしないの?もったいない」という会話が普通になっているのでしょうかね。

参考
ソニー、色素増感太陽電池を用いた照明器具「Hana-Akari」 - 商品に組み込んでコードレス電化の世界でも使えそうです。
フジプレアム、新型太陽光発電システム販売へ(372log@姫路) - シリコン型太陽電池の話題。

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Posted by miki at 00:00Comments(0)科学