2008年12月28日

一転、世界不況を牽引する自動車産業



自動車産業が大変です。

クローズアップ2008:トヨタ、初の赤字転落 予想超す市場悪化(毎日jp)
米国発の金融危機が、販売世界一の座を確実にしたトヨタ自動車を初の連結営業赤字に転落させた。不振が続く国内販売に加え、好調だった北米、新興市場の販売も激減。急速な円高という打撃も重なり、11月に下方修正した業績予想を再度、大幅に引き下げる事態に追い込まれた。ホンダなどほかの国内メーカーも苦境に置かれており、「輸出で利益を上げる」自動車産業の経営戦略は大きな曲がり角に立たされることになった。
円高も理由に挙げられていますが、ウォン安の韓国でも自動車産業は駄目みたい。

韓国も自動車総崩れ 12月給与未払い企業も(asahi.com)
韓国でも自動車業界の苦境が急速に深まっている。メーカーは相次ぎ工場の生産中断や操業時間の短縮などで減産態勢に入った。給与が支払えないほど、経営危機に陥った会社もある。基幹産業の一角が崩れ、韓国の景気も失速している。
ロシアでも

ロシア:大量解雇、深刻 鉄鋼や自動車、失業率6.5%--治安悪化の懸念(毎日jp)
ロシア各紙の報道によると、特に深刻な影響を受けているのは、需要の落ち込みで生産縮小に追い込まれた鉄鋼業や自動車産業だ。
(中略)
南部ボルガ川沿岸地方の自動車企業「カマズ」と「アフトバズ」は1月まで大半の生産ラインの稼働を停止することを決め、給与の不払いが問題化した90年代の混乱を想起させる事態になっている。
というわけで、世界中に自動車部品を供給している姫路のメーカーも減産です。

県内でも派遣社員削減 自動車や家電部品(神戸新聞)
自動車用ホース製造大手の「ニチリン」(姫路市)は二十四日、姫路工場で働く非正規従業員派遣社員約三百五十人のうち、二〇〇九年一月末までに契約が切れる派遣社員約五十人について、契約を更新せず削減する方針を明らかにした。世界的な自動車販売の低迷に対応し減産するためという。
姫路工場は自動車の空調や油圧、ブレーキ系統などに使うホースを製造。非正規を含め従業員は約九百人。今後、生産量を計画より20-30%減らす。同社は「経済動向次第で、さらに(派遣社員数を)減らす可能性はある」としている。
派遣社員の40人を削減 三菱電機姫路製作所(神戸新聞)
三菱電機姫路製作所(姫路市)は二十六日、派遣社員の契約を更新しないことで、今月末までに約四十人を削減することを明らかにした。同製作所は自動車向けの発電機などを製造しており、世界的な自動車販売の落ち込みに対応するのが狙い。
新興国などは、実用的な自動車がまだまだ必要だと思いますが、日本国内では実用車の買い替え以外の需要はもう無いんじゃないでしょうか。国内の自動車需要を支えてきたのは、不必要に高価なクルマを所有することに対する富の象徴だったり、憧れの対象だった面も大きいからです。そうした価値観が今後再び蘇ることはあるのでしょうか。

徳大寺有恒からの伝言 [著]徳大寺有恒ほか(asahi.com)
クルマが売れない理由は、経済危機だけでないだろう。クルマは生活の道具であると同時に、富の象徴、憧れの対象だった。クルマを所有すること、それもより高価なクルマを持つことが、生活向上のモノサシだった。その価値観が世紀末/新世紀を境目に崩れてしまった。自動車の世紀が終わったのだ。たまたまそれが経済問題とシンクロしている。
ある調査では、クルマを「ステータスの表現手段」と応えた人は1割強にとどまり、8割が「買い物・送迎に必要な手段」と答えました。

走り進化 日産、新フェアレディZ(FujiSankei Business i.)
「あなたにとってクルマとは何ですか」の問いに対して、全体の79.3%が「買い物・送迎に必要な手段」と回答。「ステータスの表現手段」と答えた人は13%にとどまった。
日本の自動車メーカーは実用的な小型車を製造する能力を持っているので、世界市場で今後も戦えると思いますが、国内など成熟市場では個人所有だけでなく、社会にとっての最適な交通システムの一翼を担うというような新しいコンセプトの開発が必要な気がします。

例えば、無駄な作業を排してクルマを生産していた技術を活かせば、人の移動を最適にこなすサービスの提供も難なくできるように思います。出張でA地点からB地点まで移動するのに最適な移動方法は、今だとYahoo路線情報みたいに、公共交通機関を利用するパターンしか出てきません。そうではなくて、レンタカーも出てくるし、運転代行も出てくるし、そうではないもっと別のしくみが出てくるとか、そういうものに適した移動手段を開発するとか、いろんなことが考えられます。地方を見れば顕著ですが、公共交通機関は存続に関して風前の灯で日中は2時間ほど来ないとか、従って好きでもないのにクルマの運転を強いられ、好きな酒も飲めないとか問題山積です。「クルマを所有させねばならない」という枠を外して、もっと「世の中のためになる移動サービスを開発しよう」と考えればいいと思うのです。

自動車産業の関係者は、もしかしたら今までにはないような創造的な仕事をすることになるかもしれません。重箱の隅をつついたような些細なモデルチェンジを繰り返す愚は、もうそろそろ卒業したほうがいいでしょう。

参考
静かなモーターショー(372log@姫路) - いずれにせよ、いままでのようなメーカーの販売方法や商品では先が見えないことは明らか。ホンダのように自家用飛行機をつくるとか、同じクルマでもお年寄り向けのバッテリーカーをつくるとか、多様で少量の商品への展開が必要になるでしょう。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00Comments(2)クルマ