2008年11月23日

産経&戸井田ネタ・国籍法改正に見る、もう1つの代表制

産経新聞社大阪本社

我が家は毎日小学生新聞と(半年前から)産経新聞をとっているのですが、産経新聞を配達してくれている配達所の勧めもあって来月から神戸新聞に替わります。というわけで、今月一杯で家に届かなくなる産経新聞について書いてみたいと思います。

どこの新聞も、記者クラブで配信される政府の広報をそのままネタにするのが基本で、似たりよったりの記事ばかりだという意見もあるのですが、似たりよったりの中では産経は個性的とか独自路線と言われることがあります。

一方で、たまにチェックする兵庫11区(姫路市)選出の代議士、戸井田とおる議員のブログ・丸坊主日記には、1日に100通以上のコメントが書き込まれている模様ですが、大勢は世論からみてやや独自路線の傾向があるように思います。
現在、ここのブログでホットな話題は国籍法の改正。このたび、衆議院で可決された法案です。

国籍法と労基法、両改正案が衆院通過(asahi.com)
母親が外国人で、結婚していない日本人の父親から出生後に認知された「婚外子」が日本国籍を取得できるようにする国籍法改正案は全会一致で可決。
国籍法改正案が衆院通過(しんぶん赤旗)
フィリピン人の母と日本人の父との間に生まれた子どもたち十人が日本国籍を求めた裁判で、最高裁は六月四日、両親の結婚を国籍取得の要件とした国籍法の規定は「法の下の平等」を定めた憲法に違反するとし、原告全員に日本国籍を認めました。
この違憲判決を受け、同法改正案は、結婚を国籍取得の要件とする規定を撤廃し、父親が認知すれば日本国籍が取得できるようにします。
公明が一貫してリード 婚外子の差別規定撤廃を歓迎(公明党)
最高裁のこの違憲判決に素早く対応したのが公明党だった。判決翌日には早くも、浜四津敏子代表代行らが鳩山邦夫法相(当時)に会い、速やかな法改正を要望。併せて、党内にプロジェクトチームも発足させ、専門家らとの議論を重ねながら改正の中身も詰めてきた。
全会一致ですが、全議員一致と言うわけではありません。

国籍法改正案の採決、自民議員10人退席(NIKKEI NET)
18日に衆院を通過した国籍法改正案をめぐり、本会議採決で自民党の保守派議員約10人が採決前に退席した。民主党からも数人が棄権した。
産経新聞は国籍法改正問題については他社を圧倒する熱心さですが、それでも記者クラブの規則上、取材には制約がある模様です。

【記者ブログ】総理番のお仕事(6)国籍法のゆくえ 福島香織(MSN産経ニュース)
限られた時間になにを質問するかは、その月の幹事社(月ごとに各社が交替でうけもつ世話役みたいなもの)に「こういう質問したい」と申し込んで、みなの意見を聞きながら、質問の順番を調整するのです。ちなみに、「国籍法」や「対馬問題」は各社から「産経ネタ」とよばれ、つまり産経新聞(読者)しか興味をもっていないテーマとみられています。
産経新聞は記者クラブに所属しているため、総理大臣に直接質問をすることができますが、かといって何でもかんでも質問できるわけではないんですね。

我々国民が、直接総理大臣に質問をぶつける代わりに、代表して国会議員が総理大臣に質問するのが代議制ですが、記者クラブで代表して総理大臣に質問をするのが各新聞社の記者。どこの新聞社も似たようなことしか質問しなくなれば、少数意見は「××ネタ」として順番が回ってこなくなり、ますますどこの新聞も同じになってしまいます。

民主主義は最後は多数決なんだけど、十分議論をつくすことが前提。なのに、「国会議員の数を減らそう」と言えば、多くの国民が賛成してしまう。重要なのは費用を増やさないように、少数意見も活かして短時間で効率よく議論し、その議論の内容を見えるようにすること。各議員はネットの力も利用して、短時間で効率的に議論してほしいと思います。

このたび、産経新聞の福島さんのおかげで、新聞取材の現場の様子を垣間見ることができましたが、各社の調整もやむをえない面があるものの、その実態を今後も透明化しつづけてほしいですね。

参考
国籍法改正 誰も理解せぬまま参院も審議入り(MSN産経ニュース) - 「この中で、国籍法改正案を全部理解している人は手を挙げてください」20日昼の自民党津島派の総会で、戸井田徹衆院議員はこう呼びかけたが、手を挙げた議員は1人もいなかった。改正案は国会議員も内容をよく把握しないまま、成立へと向かって突き進んでいるようだ。(記事より)
国籍法の改正について(ごまめの歯ぎしり)(Jan Jan ニュース)
【対馬が危ない】「韓国資本、実効支配も」 自民研究会議員団 現地視察へ(MSN産経ニュース) - 順番が回ってこない「産経ネタ」。
政界のブログ王は姫路の代議士(372log@姫路) - とくに自民党総裁選で麻生支持者の情報交換の場となった頃から全国区の政界ブログになった気がします。自民党の中でも保守系のかたがたに好まれているようです。(ブログより)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)マスメディア