2008年08月03日

関西は3空港ではない

八尾空港

波紋を呼ぶ「伊丹廃港も検討」発言ですが、空港戦略を考えることが重要とのこと。

橋下知事「国に空港戦略ない」 大阪空港廃止検討で(asahi.com)
大阪府橋下徹知事は1日午前、国の航空行政について「霞が関に行ってよくわかったが、(国に)空港戦略は一切ない。国全体のことを考えて空港戦略を練ってくれているのか。地元や政治家への配慮しか感じられなかった」と報道陣に語り、国を厳しく批判した。庁内の「空港対策室」を「空港戦略室」に改めることも明らかにした。
大阪(伊丹)空港の廃止も検討するとの橋下知事の発言に、地元自治体などから反発が相次いでいることについては「大いに反発が出てきていい。どうやって関西全体を盛り上げるのか抜本的に考えるべきだ」と強調、「廃止が前提ではないが、(伊丹関西神戸の)3空港併存が先に決まっているから空港戦略にも何にもなっていない」と指摘した。
国の航空行政に問題があるのはその通りなのですが、ちょっとニュアンスが違う気がします。

行政の問題は、空港の役割分担にまでいちいち行政がコントロールし過ぎることにあります。確かに基幹空港は国家の基本戦略に関わる重要事案でしょうが、路線の許認可など細かいことにいちいち口を出しすぎ、日本が世界から取り残されていることが問題です。

国がやらないから大阪が戦略室をつくると言うのはいいとして、神戸や伊丹にどうこういう権限もないし、あなたの空港の役割はこうですと言ってみたところで、参考程度に聞くしかないわけです。

神戸空港の運営も主体も、どう転んでも神戸市にあって、そこがこうしたいといって戦略を立て、そして伊丹や関空と競争する。JRと競争する。必要あれば協力するというスタンスが基本。市場経済社会のイロハです。

あと、関西は3空港ではありません。八尾空港やコウノトリ但馬空港南紀白浜空港福井空港鳥取空港米子空港徳島空港、それに計画中のびわこ空港、播磨空港があり、また周囲には岡山空港中部国際空港小松空港高松空港などがあり、多くの空港から国際便が飛んでいます。鳥取まで関西(近畿)州ということになれば、アジアからの表玄関は米子空港というのが自然の流れになります。
これらの空港を総合的に活用していく視点が欠かせません。

中四国一体で州にして、福山に州都をおくという案を聞いたことがあります。中四国は山岳地帯が多く地上交通が不便で一体感を持ちにくい。そこで、各所から広島空港に飛行機を飛ばしてその近くの福山に州都を置くというものです。

路線が増えたとか減ったとかいう目先の事だけでなく、航空ネットワークをどう活用するかという視点で戦略を立ててほしい。まぁどういう戦略をたてたところで伊丹廃港なんていう選択肢はなくなっていくとは思うのですが・・。

P.S.
ちなみに、日本航空の社長も伊丹を存続して欲しいと話しています。

前国交相に反論 「玄人がやって今の政治の状況」(YOMIURI ONLINE)
「新幹線との厳しい競争になっている中、大阪―東京の区間に限れば、伊丹は存続してほしい」と伊丹廃止に難色を示した。
伊丹廃止がいかに間抜けな案かというのは、明らかです。

参考
橋下知事「伊丹廃止も視野」。ただし権限なし(ひめナビブログ)
8~10年後の道州制導入を自民党が衆院選公約に(ひめナビブログ) - 関西広域連合に、大阪、京都兵庫奈良和歌山滋賀の2府4県と福井三重徳島鳥取が参加。
米子-ソウル便を利用しよう!(米子空港)
橋下流、関西3空港で激論火ぶた 「伊丹廃止」真意は?(asahi.com) - 全日空幹部は「都心に近い伊丹だから新幹線と勝負できている。関空ではとうてい無理だ」と疑問を呈する。(記事より) ← 全日空も日航と同じ意見。伊丹の廃港なんて関空関係者かJRぐらいしか望んでおらず、空港をできるだけ分散してほしくないと考える航空会社ですら疑問を呈しています。

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Posted by miki at 00:00Comments(8)航空