2008年07月14日

姫路-関空シャトル船の可能性

神戸-関空ベイシャトル

神戸空港関西空港を結ぶ高速艇・神戸-関空ベイシャトルが、駐車場無料などの新機軸を打ち出し、利用者を増やしていますが、いま一歩目標に届かず苦しんでいます。

神戸-関空ベイ・シャトル:就航2年、集客伸びず減便も 原油高追い打ち(毎日jp)
神戸空港と関西国際空港を海路で結ぶ高速船「神戸-関空ベイ・シャトル」の利用客が伸び悩んでいる。13日で就航から2年を迎えるが、昨年度の利用客は目標の76%。神戸市などが出資し、同船を運航する第三セクター「海上アクセス」も2年連続で赤字を計上した。
ベイシャトル利用者はベイシャトル乗り場横の駐車場が無料となるため、関空まで車で行かずに、神戸のベイシャトル乗り場まで車で行き、そこから関空を利用すれば、神戸-関空間の高速料金やガソリン代、関空での駐車料金が要らなくなるというものです。

苦肉の策のバーゲンセールなのか、長期的にも採算見込みがあるのかわかりませんが、魅力的な施策だと思います。にも関わらず利用者が目標に達しないというので、昨年2月に開店からわずか1年足らずで閉店したホームセンタームサシ神戸みなと店のことを思い出しました。

ホームセンタームサシは、新潟県郊外の三条市に本社があるアークランドサカモトという会社が運営しています。姫路にもお店がありますが、巨大店舗と巨大駐車場を備え、品揃えで勝負するホームセンター。ポートアイランドにも同様のコンセプトで大型駐車場と大型店舗という従来スタイルで出店したのですが、目標を大幅に下回り、閉店に追い込まれました。

2007年2月12日:ムサシ 最後の日(Elegant,simple)
ポートアイランドの住民は、基本的に、自動車を保有していないのです。これでは、往復も大変だし、買って持って帰るのも難しいです。
神戸市街地になれば、自動車を保有する人はそこそこ増えます(とは言え、神戸市街地の住民は、鉄道とバスで行動できる環境であるゆえに、他都市の市街地住民に比べれば、自動車を保有しない人が多いです)。しかし、神戸市街地ともなれば、別のホームセンターが数多くありますし、なによりも、この地域の住民は、日常生活に必要な品々を、商店街で調達する文化があります。
そもそも、神戸には日常生活で車を使ってショッピングに出かける人自体が少ないので、ムサシに来るお客が少なかったのです。新潟の郊外に本社のある会社からすれば、ちょっと信じられない感覚でしょう。

車を中心とした発想が苦手なのは、関空へのアクセスでも同じこと。そもそも関空に車で行こうという発想が希薄であれば、いくら魅力的なプログラムを提示しても人気はでません。

一方で、姫路やそれ以西の人なら、関空に行くのに途中まで車で行き、そこから関空に行くというプランに抵抗がある人は少ないでしょう。姫路の人なら、神戸空港横の駐車場まで車で乗りつけ、ベイシャトルで関空を利用するプランはそれなりに受け入れられると思います。最大の欠点は、その駐車場に行くまでに渋滞が発生するかもしれない難所がいくつかあることです。一の谷の戦いで有名な、険しい山が海岸に迫って人も住めないような難所を乗り越えて行かなければならないのですから、当然といえば当然。一旦事故渋滞なんかが発生してしまったら抜け道なんてほとんどありません。時間に余裕があればいいようなものの、いざというとき、飛行機が出てしまうと言うのでは二の足を踏んでしまいます。

しかし、これが姫路港に駐車場があるというなら、だいぶイメージも変わります。姫路やその周辺から姫路港まで来て、そこから関空まで船で行くと言うなら、渋滞の心配もないし、神戸人工島ほど駐車場の確保も難しくありません。
姫路-関空間はバスが出ていますが、片道3000円と決して安くないし、2時間10分~20分かかります。それに、姫路駅から出ているため、自宅から姫路駅に出てくるのが大変という人も多い。そういう人なら姫路港に駐車場が確保されていれば、そちらのほうがよほどありがたいでしょう。

姫路から関空へは、陸路を経由すると遠回りになりますが、海上経由だと一直線に比較的近いコースが取れます。意外といけるかもしれません。

参考
目標達成。菓子博と空港(ひめナビブログ) - 確かに乗ってしまえば渋滞はないでしょうが、播磨からだと神戸空港島に行くまでに、播磨と摂津の国境を超えねばならず、そこで渋滞の恐れがあります。姫路-関西空港リムジンバスは、渋滞しそうな時間帯は摂津を避けて山陽道経由で大回りして行くぐらいなので、わざわざ渋滞の可能性がある摂津まで行って、船に乗り換えて行くかは微妙ですね。

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Posted by miki at 00:00Comments(2)交通