2008年06月21日

動きが速い、デジタル家電

シャープ総合開発センター(天理市

松下が出資するIPSアルファテクノロジ社の液晶パネル工場が、当初計画を前倒しし、来年7月に完成することになりました。

松下、来月20日着工 姫路の液晶パネル工場(神戸新聞)
同社によると、七月十四日に現地で起工式をし、同二十日に着工。来年七月に完成させ、一〇年一月の稼働を目指す。
来月14日に起工式ということは、もう1ヶ月もありませんし、完成の来年7月と言えば1年後です。シャープやサムスンなど競合との競争が激しいということでしょうか。

こうした迅速な対応に、周りはついていけるんでしょうか。

「パネルベイ効果」研究会──堺など5商議所、7月発足(日経ネット関西版)
大阪など5つの商工会議所は7月、松下電器産業やシャープが大阪湾岸で進める薄型パネル工場の巨大投資と地域経済活性化の施策を考える専門研究会(略称・パネルベイ研究会)を発足させる。投資総額1兆円を超える産業集積がもたらす波及効果を地域にいかす連携策や提言策としてまとめる狙い。関西の主要な商工会議所が広域で連携するのは珍しい。
同研究会に参加するのは、ほかに尼崎神戸姫路の商工会議所。
デジタル家電の世界は、予想を上回るスピードで局面が変化してきたので、研究会で提言をまとめている間に、どんどん事態が変化し、結局的外れな提言でお茶を濁しそうな気がします。

ところで、薄型テレビ用パネルだけでなく、半導体でも姫路は世界的な拠点で、東芝姫路半導体工場でつくるディスクリート半導体は世界シェアトップ。東芝はパワー半導体でも世界一に照準を合わせて投資しています。

加賀東芝パワー半導体工場が稼働 東芝、集中投資 09年度シェア世界一に照準(中日新聞)
東芝は成長著しい半導体分野を戦略事業の一つに位置付けており、二〇〇九年度までの三年間に一兆円を集中的に設備投資する計画。パソコンや携帯電話、薄型テレビなどの電源部に使う電流制御用の半導体(パワー半導体)製造の新工場が完成した、加賀東芝エレクトロニクス石川県能美市)への投資もその一環だ。
(中略)
加賀東芝は兵庫県の姫路半導体工場と並ぶディスクリートのグループ主力生産拠点で、新工場は敷地内の五棟目。フル稼働すると東芝のディスクリート事業に占める加賀東芝の売上高比率は約25%から40%超へ高まる。
東芝姫路半導体工場の北側には、キヤノンと進めていたSEDテレビの建設予定地が更地のまま放置されています。半導体にさらに投資するなら、ここにすべきでしょう。
堺や大阪、神戸、尼崎に比べ、姫路は比較的安価な土地が豊富です。

参考
松下に補助金がいるのか(ひめナビブログ)
太子町の世界トップシェア(ひめナビブログ)
ディスクリート半導体事業部:秋山 誠和子のメッセージ(東芝セミコンダクター社)
東芝松下ディスプレイテクノロジー・会社概要 - 姫路では、中小型の液晶モジュールを生産。

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Posted by miki at 00:00Comments(4)企業