2008年02月13日

姫路でも暫定税率の論戦。車からの財源の使い道

播磨臨海地域道路網協議会のHP

国政で争われる揮発油税の暫定税率問題が、姫路でも議論されています。

暫定税率 与野党、兵庫の陣 道路特定財源(神戸新聞)
自民党戸井田徹衆院議員(兵庫11区)は地元の姫路市で強調した。同市は、神戸と直結する「播磨臨海地域道路」建設に向け国に働きかけてきた。暫定税率廃止は遅れにつながると、「(ガソリン値下げの)目先の利益ではなく、長期的な視野が必要」と訴える。
(中略)
一方、同じ姫路市で小選挙区を戦う民主党松本剛明衆院議員(比例近畿)は「ここで旗を降ろせば、また十年も税金がいいかげんに使われる」と廃止を主張。ただ、「(播磨臨海地域道路は)絶対に必要。道路財源の仕組みとは切り離すべきだ」と、地元への“配慮”をにじませる。

地元への配慮も必要なのはわかりますが、国会議員なんだから、基本的には地元の道路の視点でなく、国政の視点で検討して欲しいですね。

「必要だから造っている」と言われる道路が、結構のんびり造られていて、「車が走るために必要なんじゃなくて道路を造るための雇用を守るために必要なんじゃないの?」と感じることがあります。本当に必要な道路なら、さっさと造るべきでしょう。仮に同じ数の道路を造るにしても、同時並行的ではなく、必要なものからもっとさっさと造れないのかという気がしてなりません。
暫定税率の問題は、「また10年間も道路をだらだら造るのか?」というメリハリの無さに対する不満もある気がします。

播磨臨海地域道路については、慎重であるべきと思います。播磨全般に言えることですが、道路を造る云々以前に、これ以上車に頼った生活を進めて行くのかどうなのかという問題があります。個々人が通勤から買い物に至るまで何でもかんでも車を乗り回していれば、それこそ播磨臨海地域道路だけでなく、更に多くの道路が必要ということになります。
道路が足りないという割に、日本一交通量が少ないと言われる播磨自動車道の他、中国自動車道山陽自動車道播但連絡道路といった東西南北に走る有料道路が、十分活用されているとは言えません。
首都圏や阪神間の住民並みにマイカー利用を抑えても、有料道路を含めて混雑してどうにもならないというなら話は別ですが、そうでないなら今すぐ道路を造る必要はありません。
むしろ、マイカーに頼らなくても済む人を増やすため、公共交通を充実する道を選ぶべきです。しかしそうした動きは、明石や加古川のコミュニティバスなどごく一部で、それ以外はバス路線の縮小など正反対のことしかやっていません。

ヨーロッパは当然として自動車大国アメリカですら公共交通の充実を真剣に考えているのに、欧米だったら大都市と言ってもいいくらい人口を持つ姫路が、まじめに都市交通に取り組んでないのが残念でしかたがありません。

アメリカの交通事情(2)
アメリカは日本が憧れた車社会という社会から徐々に変わろうとしている。(中略)「鉄道だけで採算取ろうと考えてもムリ」という結論に至ったのである。それを可能にするのは鉄道を食いつぶそうとする道路・車からの財源である。鉄道マニア以外の人は出来る限り車を利用したいので、それを迎え撃つ魅力が鉄道に持たせることは、特にアメリカでは難しい(日本は地形上開発できる場所が限られているので鉄道が比較的頑張れているのである)。なぜなら鉄道は前述したように「仕方なく利用している」交通機関と思われているからだ。その為にも公共交通機関が利用しやすい環境を整えることは大事なことと言える。

同様に、姫路など日本の地方都市のケースに置き換えて考えれば、「地方都市で公共交通だけで採算取ろうと考えても難しい」「車からの財源を使って公共交通を利用しやすい環境を整える」という見方もできる気がします。

姫路という地方都市から国会議員を選出することの意味は、東京という特殊な環境しか知らない人だけで議員を構成すると、例えば公共交通の運営などの恵まれた環境を当たり前と思ってしまう恐れがあるため、それを補うためだと考えます。姫路に予算を分捕ってくるためではありません。

参考
公共交通の利用者増進をなぜ考えない(ひめナビブログ)
世界一革新的な、姫路の姉妹都市(ひめナビブログ) - クリチバでは、自動車中心ではなく、人間を中心とした都市政策を実施しています。主要道路を幹線バス専用レーンとし、側道はあくまで道路沿い施設へのアクセスに限定して一般乗用車に開放。1ブロック隔てた左右の道路を一般自動車用の道路として使用します。また、市内は均一料金でバスでどこにでも行くことができ、料金の支払いをチューブ型のバス停で済ませるため、乗降にかかる時間を大幅に短縮することに成功。市内の移動は公共交通を利用するのが当たり前という状況を作りだすことに成功しています。(ブログより)
中国・山陽自動車道を活用しよう(ひめナビブログ)
地域の足「たこバス」快走 利用者100万人突破(神戸新聞) - 明石のコミュニティバスの話題。
加古川市コミュニティータクシー 北西部で試験運行へ(神戸新聞)

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Posted by miki at 00:00Comments(0)政治