2007年02月18日

京都や大阪に流れるよりはマシ



神戸空港が開港1周年で、利用者数の目標を15%下回ったことや土地売却が進んでいないことが問題とされています。
いまだに「関西に3つも空港が必要か?」と言う人もいるみたいですが、年間300万人近くの利用者があったわけですから的外れだと思います。そもそも神戸市の過大な予測はいつものことです。

いくら利用が多くても、3000億円も事業費がかかれば、経営は大変です。なんでそんなにかかるかといえば、わざわざ深い海を埋め立てて造ったからです。既存インフラが貧弱な沖合いに空港があるから、リムジンバスも次々撤退し、貨物輸送も奮わないと、いいことがありません。
かかった費用から土地価格を算出したら割高になって土地売却が進まないのも当たり前です。

きょう神戸空港開港1周年。利用率低迷で、箱物行政のつけは誰に(livedoorニュース)
六甲山の裏側の山陽道や中国道との分岐点近くには、広大な未利用地があります。200歩譲って、『どうしても空港がほしい』というのであれば、その場所に造れば、10分の1以下の300億~400億円で建設できます。しかもそれは机上の理論としてですが、高速道路と直結するカーゴ空港を目指すこともできるのです。にもかかわらず、神戸港の沖合を埋め立てる。

空き地さえあれば、空港自体は、元来そんなに費用がかかるものではありません。神戸空港の3000億円の費用は、ほとんどが埋め立て費用、つまり「空き地を造る費用」です。
空港事業は、如何に事業費を抑えつつ、使える立地に、使えるものを計画できるかが勝負の分かれ目になります。関西空港に比べれば、神戸空港の計画はかなりマシではありますが、海上空港という選択が致命的だったと思います。
今後、他都市で空港計画を進めるなら、神戸の轍を踏んではいけないと思いますね。

ところで、せっかく市営の空港を造ったのに、神戸空港にやってくる観光客が神戸市を素通りするので困っているようです。

光と影・神戸空港開港1年 [4]集客力(神戸新聞)
コンベンション協会は昨年十月、明石、姫路の観光協会と、初の合同パンフレットをつくった。それぞれ自慢の観光資源はあるが、三市の本格的な連携は初めてだった。
京都大阪に流れるよりはまし」。神戸市の町本欣信(よしのぶ)観光監は胸の内を明かす。「明石で昼食、午後は姫路城、夜は神戸で夜景を見て宿泊する。これなら行きも帰りも神戸空港を使ってもらえる」

つまり、京都や大阪に流れて関空から帰られるよりはマシだから、姫路や明石と提携してせめて神戸空港から帰ってもらいたいということのようです。
姫路は岡山鳥取と連携しているので、岡山空港鳥取空港から帰るようになるかもしれませんが。

参考
搭乗率13%。懲りない「勘違い」都市・神戸(ひめナビブログ)
播備ライナー復活を(ひめナビブログ)

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Posted by miki at 03:23Comments(2)航空