2006年12月28日

兵庫県の経済を牽引する姫路

姫路市南部(手柄山より)

有効求人倍率に地域格差(ひめナビブログ)などで再三指摘してきたことですが、神戸新聞もやっと記事にしました。(※1)

県内求人倍率、広がる地域格差 11月(神戸新聞)
阪神、淡路など有効求人倍率が県平均を大きく下回るところもあり、地域間格差も広がっている。
(中略)
地域間の格差も広がる=グラフ。地域別の有効求人倍率は、西播磨(一・四九倍)や但馬(一・一七倍)、東播磨(一・〇七倍)は一倍を超えて好調。丹波(一・〇三倍)と神戸(一・〇二倍)もようやく一倍を超えた。阪神(〇・七五倍)と淡路(〇・八五倍)は、依然低い水準。
神戸は1.02ですが、姫路は1.57。姫路職業安定所だけだと1.81です。(参考
姫路市主要統計指標の10月分)
都道府県別全国トップの愛知県が1.93、東京都は1.44。兵庫県平均で見ると0.96で冴えませんが、姫路だけを見ると全国トップクラスです。

いつも思うのですが、関東平野はとにかく広い。あれだけ首都圏に人を集めているのに、周辺に行くとまだまだ平地がたくさんあります。
一方で近畿の京阪神は、人口密集地帯の外側は山と海に囲まれていて、発展の余地が少ない。しかし、播磨平野はまだまだ余地があります。

工場用地だって確保しやすいし、空港を除けば姫路港新幹線自動車道などの交通網が発達しています。

元来日本が得意としていたモノづくりが、高賃金のため競争力を失っていたのを、小泉改革(労働者から言えば改悪)で賃金切り下げに成功し、競争力が復活してきたから日本経済が復活を遂げつつあるという説があります。(参考 「いざなぎ超え」でも賃金が増えない理由

通常であれば製造業の復活が国内消費を刺激し、商業で成り立つ地域にも景気回復の波が訪れるのですが、賃金が切り下げられているために波及効果が弱いのが、地域格差の原因の一つでしょう。

今後とも姫路が阪神や神戸を支えて行く構図が続くでしょう。ただし兵庫県を支えるのも、道州制導入で兵庫県を廃止するまでの話ですが。(※2)

※1 
当ブログでは常識ですが、地元の新聞である神戸新聞を読んでいても気づかないほど、これまであまり触れられて来なかった事実です。よく都道府県別のデータが新聞に載るのですが、こと兵庫県に関して言えば、何の意味もない平均値であることが多い。有効求人倍率は、最たるものです。

※2 姫路市長選に出馬意向を示している岡村氏が、自信のブログ・争点(英語教育の改革)で、

活力も人口も、十分に発展を遂げた政府指定都市神戸市に、もう「県庁」はいらない。
21世紀は、県全体の均衡の取れた発展を図るために、播磨に「県庁/県政の中枢機能」の移転を!
とおっしゃってますが、今さら敢えて言うなら「県庁ではなく道都ではないのか?」と思います。既存のインフラ活用重視なら大阪に、アジアの中で考えた航空交通の要所なら泉佐野あたりにすればいいでしょう。しかし、どういうわけか奈良という声があるようです。奈良に可能性があるぐらいなら「姫路も可能性があるのでは?」と思いますが、いかがでしょうか。

京阪神や奈良に比べた姫路の優位性は、河川がしっかりしていることや災害に強いこと、近畿では貴重な、比較的開発余地が残された湾岸沿いの平野が多いことではないかと思います。

参考
姫路県(wikipedia) - 姫路藩から姫路県に廃藩置県されましたが、その後、播磨地域が統合されて(大)姫路県に。しかし1週間後に飾磨県という名称に変更されました。

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Posted by miki at 00:08Comments(7)社会