2006年08月26日

福井からも姫路へおいで。新快速延伸

  JR新快速姫路駅

10月から新快速が福井県まで延伸するのに伴い、姫路への観光客が増えることが予想されています。

“関西圏”敦賀まで拡大 利用客増を大阪でも期待 新快速延伸
(産経新聞)
反対側の始発・終点駅がある姫路市でも観光客増を期待。兵庫県内で新快速が停まる姫路、明石神戸の3市の観光振興担当者は今年になって月2回程度のペースで、観光客誘致の方法を話し合っているが、今後、福井県方面からの誘客も考えるという。姫路観光コンベンションビューローの國光敏輝係長(38)は「新快速の延伸を機に、来年度は予算化してキャンペーンもしていきたい」と話している。

実際、滋賀県全域と福井県敦賀
地区のJR沿線で、「姫路行」「姫路方面行」の列車がアナウンスされるだけでも宣伝効果は絶大です。

ところで、滋賀県といえば新幹線駅の凍結を公約に掲げて当選した嘉田由紀子知事ブログが毎日のように更新されています。
意見に対する賛否両論はおいといて、自分のメッセージを広く伝えようという姿勢は、大いに評価できます。

「もったいない」という言葉が出てきます。地元負担で利用価値の低い新幹線駅を造ることを指して言われるようです。確かにそういう面はあります。しかし、計画を凍結させ、検証し、見直していく作業や工数にもまた莫大な費用と、機会費用の損失がかかってきます。
そこまで計算しても「もったいない」と言い切れるのか、私が「もったいない」という言葉を聞くたびに感じることです。

新幹線駅の計画をなかったことにするのは、決して得とは限りません。これからどれほどの年月と体力をそのことにかけるかによっては、むしろ「もったいなさ」がさらに拡大する恐れがあります。
もちろん、経済的な損得だけではなく、民意の反映など民主主義的解決に対する県民の満足効果も得られると思うのですが、冷静に計算すれば、結構贅沢な満足の得かたになるのでは?
嘉田知事に求められることは、まずは機会費用まで含めた経済的な損得を明確に示した上で、だから撤回します(あるいは、それでも撤回します。理由はこれこれだから)という説明です。「もったいないからやめます」では、説明責任が果たせていません。

なんでこんなことを言うかというと、嘉田知事は環境の専門家です。環境を語る人には、2種類のタイプがあります。一つは、「こんなことをすると、こんなに環境に悪い影響を及ぼすよ」という研究をする人。もう一つは、環境が悪化する理由を市場経済に任せるためと考え、環境問題を解決するための対策を研究する人。

環境経済学@栗山研究室より
地球温暖化の対策はなかなか進んでいない。なぜ温暖化対策が進まないのだろうか。その最大の理由は、温暖化を防止するためにはコストがかかることである。温室効果ガスの排出量を削減するためには、たとえば風力発電などのコストの高い電力を使用するなどの対策が必要であり、そのためにはコストが必要である。

嘉田さんは、琵琶湖の環境が悪化することに対して警鐘を鳴らされますが、現実の市場経済の中で、どうすれば環境を守れるかという研究をされてきたのでしょうか。これが、一番気になるポイントです。

「平和が大事」というのは、誰でも言うが、「どうやれば平和が維持できるか」まで言おうと思うと、それなりに勉強しないと言えませんよね。環境も同じだと思います。

参考
新快速敦賀まで延伸(つルル日記)中高年にも人気。青春18切符が明日発売(ひめナビブログ) - 青春18切符で姫路に来るのも便利と思います。
機会費用(Wikipedia) - サイドビジネスで1時間当たり800円儲かっても、時給800円のバイトと変わらない。つまり、サイドビジネスは機会費用800円を失っているので、やってもやらなくても損にも得にもならないと考えるべき。

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Posted by miki at 00:05Comments(4)鉄道