2006年07月06日

地方の商店街に人通りがなくなった本当の理由

 マイカーで完結する生活・マックスバリュ西日本(本社:姫路市)

郊外の大型出店を規制する動きが加速化しています。この動きは、中心市街地だけでなく、既存郊外店のある地域のためにもなると思います。なぜなら、郊外店がある日突然撤退してしまうリスクが減るからです。(参考

しかし、規制が中心市街地に人通りを呼び戻す即効薬になるかといえば、そうとも言えません。実は、多くの地方都市では、主な幹線道路やバイパス沿いに多様な郊外型チェーン店が立ち並び、郊外で完結する仕組みが出来上がっているからです。
その郊外店には必ず無料の駐車場が併設されていて、車を停めてから店内をうろうろして精算し、車に戻るまで、延べ50メートルも歩きません。

その結果、50メートルまでしか歩かない人たちを大量に輩出しました。鉄道社会の首都圏や阪神間では考えられないことです。
地方では通勤もマイカーです。ドアツードアですから、ほとんど歩きません。

あなたは歩く人、歩かない人?によれば、「大都会の人の方が、地方都市・農山村在住者よりも良く歩いている。農作業従事者は作業の機械化により歩数が少なく、会社の課長と同じぐらい、場合によっては社長と同程度の歩行量である。」
姫路リバーシティ(郊外型超大型店)に行って思うことは、車を停めてから店内までと、店内を歩く距離が長いことです。リバーシティの近所に銀ビルストアがありますが、結構はやっています。近所の人は、食料品を買うためにリバーシティを歩き回るより、車を降りてから歩かなくていい小規模スーパーで買い物をするのでしょう。
消えゆく街角(toshibon's essay)に、東京人と秋田人の興味深い比較が書いてあります。
東京人はとにかくよく歩く。電車に乗るには必ず階段をアップダウンしなければならないし、さらに乗り換えの長い通路を歩き、下車してもまた目的地まで歩く。秋田で暮らすサラリーマンの日常生活は、ほとんどがドアツードアだ。だから、たまに出張で上京したりすると、歩き疲れて大変だとみなさんこぼす。反対に東京から来た人は、秋田では誰もがすぐにタクシーを利用すると言う。酒を飲んでいて場所替えする時など、極端にいえば、すぐそこに見える店にまでタクシーで行こうとするのでびっくりしたと。

ここまで足腰が弱ってしまった地方都市で、果たして今後も商店街が成り立つのだろうかというのが、私の素朴な疑問。
人間がこれ以上、歩かなくなったら、もう引きこもるしか道はありません。いまや地方都市で歩いているのは、小中学生の登下校と中高年のウォーキングぐらいではないでしょうか。

車社会である地方都市の商店街に人通りがなくなったのは、鉄道社会の首都圏や阪神間に比べて、

「街歩きをできるだけの体力のある人が減っているから」

と言ってみたいと思います。

P.S.
ちなみに私は毎日1時間近く歩きます。本来はバス通勤ですが、晴れた日はバスに乗らずに歩くことが滅法増えました。歩くことに目覚めると、だんだん歩かずにはいられなくなり、車に乗っている人が愚かに見えてくる(賢こそうに見えない)から不思議です。歩く人と歩かない人の格差社会がすでに始まっています。

あなたは歩く人、歩かない人?より

●「よく運転する」人は「歩かない」「運動不足を感じる」度合いが高い。
●「運動不足」の人は「食べ過ぎと感じる」「太り気味」「ストレスが多い」などの該当率が高い。
●「歩く人」(1日合計10300歩以上)は「体力がある」「健康である」「人生に生き甲斐がある」「疲れを覚えない」「風邪を引かない」と答え、「歩かない人」(6900歩以下)はその反対の結果だった。

★「歩く人」の血圧値、皮下脂肪厚、コレステロール値は「歩かない人」よりも有意に低いと言う厚生省データもある

参考
平成18年度 中心商店街通行量結果調査(姫路商工会議所) - ほとんどの調査地点が減少で過去最低。唯一上昇したのは駅前一番街。姫路駅から50メートルぐらいまでしか歩かないということか。
デフレ時代と中心市街地 - 「車社会の住民は平均50メートル歩かないんです。」
中心街はマイカー規制(372log@姫路)
自転車王国・姫路へ(372log@姫路)
公共交通の利用者増進をなぜ考えない (372log@姫路)
公共交通機関の利用推進を(372log@姫路)

← 1日1回クリックして頂けるとRankが上がります  

Posted by miki at 00:05Comments(4)ショッピング