2006年02月23日

兵庫県知事が道州制に反対する理由

兵庫県は関西州が濃厚

来月姫路市も4町と合併しますが、全国的に市町村合併がすすんだ結果、しだいに道州制の議論に移行しつつあります。
道州制とは、現行の47都道府県を廃止し、新たな広域自治体として道や州に再編する考え方。国は外交、防衛などに特化する一方、国の出先機関の事務を道州へ移譲、都道府県の事務を市町村へ移すことになります。
都道府県を廃止するのですから、都道府県知事は失業するわけで、みんな反対かと思いきや、反対しているのは全国で福島県と兵庫県の知事だけだそうです。

道州制 知事、宮城など28人「必要」 福島は反対(河北新報)
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福島は「住民から遠い巨大な地方自治体が出現する」と強く反対。兵庫は「まず現行の府県に権限を移譲すべきだ」とした。
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いろいろな見方があると思いますが、理由の一つに、福島と兵庫にある共通点「県としてのまとまりのなさ」「県庁が大都市に近接」があると思います。

福島県は面積が大きく、また山脈により分断されているため、浜通り・中通り・会津の3地域に分けられます。県内には福島郡山いわきという同規模の都市が併存し、一局集中していません。県庁所在地の福島から東北の中心都市仙台が比較的近く、近年は仙台のベッドタウン化しています。

兵庫県も、旧五国(摂津丹波の一部、播磨但馬淡路)を統合した巨大な県であり、県庁の神戸大阪のベッドタウン化しています。

通常、都道府県が廃止され州に属しても、連帯感の強い地域であればその県庁所在地は事実上州の支所や経済圏の拠点機能を維持可能です。

しかし、もともと県としての確たる中心地を持たない福島県や、一枚岩でない兵庫県が、都道府県の枠組みを外したら、冷戦終結でソ連から独立したバルト三国のように、県内各地がそれぞれ独自に動き出し、旧県庁所在地は名実ともに求心力を失います。

また、州都候補の仙台や大阪から近すぎると、行政の支所機能がさほど求められず、いっそうベッドタウン化が進む気がします。

福島県や兵庫県知事が反対するのも理解できます。

参考
なぜ兵庫県は不自然に大きいか(近代姫路の財界・政界)
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明治政府が、明治維新の後に新しい領域の秩序といったものを、これはもっぱら税金を取ることが一つの大きな目的ですが、県境を設けるようになります。しかし、県境は、今私たちが個人の力では何ともしようのないような、そういうものとして線があるわけですが、実は明治政府が引いた線引きは、非常に経済利害に基づいて引かれた側面が大変強い。言い方を変えれば、それ以前の伝統的な秩序を無視して線を引いているところがあります。
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Posted by miki at 01:19Comments(7)政治