2006年02月15日

ノーベル賞受賞のあの人は今

質量分析装置島津製作所のサイトより)

今から3年前、島津製作所の研究員・田中耕一さんがノーベル化学賞を受賞し、話題になりました。受賞理由は、質量分析タンパク質を研究する道を開き、病気の診断や薬の開発になくてはならない技術となったこと。

大学の研究員ならともかく一般企業の研究員がノーベル賞を受賞したことに当時驚きの声があがり、島津製作所は一躍有名になりました。
例えば世界のトヨタといえども、研究員がノーベル賞をとることなど考えられません。トヨタは工学技術は優れていますが、サイエンスを商売にしているわけではありません。島津製作所は大学や製薬会社の研究所でも使われる計測・分析機器を開発していて、先端分野の研究の支援を仕事にしていたことが大きな要因でしょう。

こういう企業は、必ずしも儲かるわけではありません。台数が出ない上に、求められる機能も多種多様。開発費も手間もかかりますが、トップが科学技術で社会に貢献したいという理念を持っているのだと思います。

島津製作所の創業者・島津源蔵は、明治8年、「わが国の進むべき道は科学立国である」との理想が芽生え、理化学器械製造の業を始めました。その後、レントゲン博士エックス線を発見してから10ヵ月後にはエックス線の撮影に成功していたといいます。

ところで、島津源蔵の祖先は播磨に住んでいたそうです。

島津製作所サイトより引用)
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島津源蔵の祖先は、井上惣兵衛尉茂一といい、1500年代後半に播州に住んでいました。薩摩島津義弘公が、京都の伏見から帰国の途上に、豊臣秀吉公から新たに拝領した播州姫路の領地に立ち寄った際、 惣兵衛は、領地の検分などに誠心誠意お世話をしました。その誠意に対する感謝の印として、義弘公から“島津の姓”と“丸に十の字(くつわ)の家紋”を贈られたと伝えられています。
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地味ながら科学技術の進歩に貢献している企業と、地道にものづくりしている姫路に、僅かながらつながりがありました。

田中耕一さんは、現在、田中耕一記念質量分析研究所所長をされています。

参考
SPring-8は地球を救えるか?(372log@姫路) - タンパク質の構造を解析すると未知の病の解明や創薬に貢献、ひいては人類に貢献できるようです。

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Posted by miki at 00:35Comments(3)科学