2006年01月18日

神戸空港開港を迎えて

まもなく開港する神戸空港マリンエア

ある時期、神戸空港建設に反対する神戸市民が多くいました。伊丹関空があるのに「神戸に飛んでくる航空会社などいるのか?」とか「いったい誰が利用するのだ。そんなやつおらんやろ」など、手厳しい意見が多くありました。

そうした声も、今から1年前に航空会社3社が就航を表明してやや下火に。また開港を控えて予約も順調のようで、かなり少数派になってきたのではないでしょうか。

神戸空港開港まで1ヵ月、航空3社の予約好調──日航・全日空、開港当日は満席便相次ぐ(日経ネット関西版)

行政であれ民間であれ、将来の需要予測は大変難しい。基本的には先のことなど誰にもわかりません。現在予約が順調といっても、この先も需要が続くという保証はありません。これからが本当の勝負になるでしょう。
しかし、そういうわからない中でもその時々で判断をくだし、物事を進めていくのが行政の仕事です。

新神戸駅を見ると、「こんな山の中に新幹線の駅を造るなんて、なんて無茶をするんだろう、自然破壊もいいところ」と思います。きっと、自然を愛する神戸市民の中には、建設当時反対した人もいたのではないでしょうか。
しかし、いま「新神戸駅は不要だ。新大阪駅の次は西明石駅で十分だった」などと思う人は少数派だと思います。
なければないで済ましてしまいますが、一度できれば、もうそれが前提で物事が進みます。

今からでも神戸空港に反対することは比較的容易です。「土地が計画どおり売れてないじゃないか」「着陸料収入が予定より少ないじゃないか」「スカイマークは関空から撤退する。神戸もそうなるかもしれないぞ」など。確かに今後も神戸空港の経営は楽観を許さないと思います。

一般的に、何かをやろうというより、やろうとすることに反対する方が楽なのです(注)。先のことがわからないのは、やろうとする人も反対する人も同じです。まして、これだけ激変する世の中です。
しかしそういう時でも、「反対する人がいるからやめておこう」という人ばかりだったら、事業は絶対にできません。新神戸駅だってできていない可能性があります。

神戸空港が多くの人に反対されたにも関わらず、開港を迎える運びになったのは、見えないところで多くのかたの尽力があったはず。
たとえ昔、反対していたかたであっても、もしいまそうでないなら、関係者の尽力に対して敬意を表すのも開港にあたってとるべき一つの態度だと思います。

注)総理大臣になるより、総理大臣を批判する方がずっと楽なのと同じです。

参考
神戸空港をどう活用する - 2005年1月、神戸新聞の読者投稿欄に掲載。


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Posted by miki at 00:05Comments(10)航空